【熊本地震】震災日記 その10
今日は朝から雨なので、公民館のゴミ受け入れは中止。当番でもなかったので、益城町の父の実家を訪ねることにした。電話で無事は確認しているのだが、84歳になる叔父夫婦の様子が心配だった。


しかし、城南町から県北へと向かう橋が軒並み被災していて、とにかく大渋滞になっている。そこで、思い切って松橋インターまで行きそこから高速道路を使って御船インターまで行くことにする。スムーズに移動できたが、高速道路もあちこち補修の跡が目立ち、結構波打っていた。あまりスピードを出すとジャンプしそうだ。高速を降りて一般道を通って益城に向かう。
途中の嘉島町でも全壊の家屋が目についた。道路も大きく損壊している。補修が進められていて、復興の気配が伝わってくる。岡山県警のパトカーが何台も巡回して警戒していた。
益城町に近づくにつれて、道路の損壊が目立ち始めた。高速道路の橋脚にはごつい鉄骨で作った補強の橋桁がいくつも取り付けられていた。これが、振動防止の装置が吹っ飛んだという現場なのだろう。実家に近づくにつれ全壊家屋が道にまでがれきを押し出しているような状況が増えてきた。
ところが、実家に行ってみるとその地区全体でほとんど損傷がない。叔父夫妻も元気に過ごしている様子で安心した。実家から50mほどのところに公民館が新築で建っているので、そこを避難所にして生活していたということだ。水が出るようになったので、すでに家での生活に戻っていた。聞けば、地下を数m掘ると固い岩盤に当たるということで、地盤がしっかりとしていたことが被害が少なかった原因だろう。しかも、3年ほど前に大規模リフォームをして、瓦はすべて釘止めをし、外壁にも気を遣ったという。小さな10cmほどのひびが一つ目に入っただけだった。
その後、お寺によって被害状況を聞く。とりあえず、たいしたことは無く安心する。一番被害の集中している木山地区に行ってみた。益城総合体育館の前から、道路が大規模に崩落していて、その上に新しくアスファルトを敷いてあった。道の下には、元の道路の残骸が転がっている。益城町役場付近では道路に石垣やブロック、果ては家までが転がっていて、車が一台通るのがやっとだった。とても写真を撮ることができるような雰囲気ではなかった。
とにかく、城南町以上に被害がひどいのには驚いた。路地をがれきが埋め尽くし、奥の家には近づくことすらできない。とても、個人の力で何とかできるというレベルを遙かに超えていると思った。
家に帰ると、嫁さんが「コーヒーの花が咲いたよ!!」と喜んでいた。暖かい雨に打たれて、今日初めて一輪花をつけた。きれいな花だった。ちょっとほっとした。


by astrokcao
| 2016-05-06 17:40
| 地震
|
Comments(0)